百日咳の感染が増えています ~追加ワクチン接種のご案内~
最近、百日咳の感染が増加しており、特に学童期の子どもたちや生後間もない赤ちゃんへの感染が問題となっています。
この状況を受けて、当クリニックでは、以下の方々への3種混合ワクチン(トリビック)追加接種を推奨しています。
〇年長児(5~6歳ごろ)
〇小学校高学年(11~12歳)
→ 通常の2種混合ワクチン定期接種を、任意の3種混合ワクチンに切り替え
〇妊婦さん(在胎27週~36週)
〇家族内に新生児や乳児がいる方、新生児や乳児と接する方(きょうだいや保護者)
🔍 百日咳とは?
百日咳は、「コンコンコン…ヒューッ」という特徴的な咳が続く呼吸器感染症です。特に乳児にとっては命に関わる重症化のリスクがあり、注意が必要です。
年長児や学童では典型的な症状が出にくいため、気づかないうちに兄弟姉妹や赤ちゃんへ感染させてしまうことがあります。
📈 なぜ今、百日咳が問題なのでしょうか?
2024年後半ごろから、百日咳の感染報告が増加しています。
さらに、抗菌薬が効きにくい耐性菌が増え、生後まもない赤ちゃんの治療が難しくなっています。
また、日本国内でも小学校高学年での感染が増加していることが報告されています。
ワクチンによって得られる免疫は、接種後数年で徐々に低下します。そのため、幼少期に定期接種を受けたあとも、学童期には再び感染リスクが高まるのです。
🧪 研究データから見る免疫の低下
百日咳のワクチンは効果の切れるのが速く、接種後3年たつと抗体の陽性率は30%まで低下すると報告があります。
5〜6歳時点で百日咳の抗体価は大幅に低下し、11〜12歳ではほとんどの子が免疫を失っていると考えられます。
そのため、日本小児科学会では、年長児や小学校高学年への3種混合ワクチンの追加接種を推奨しています。
🌍 海外の対策状況
アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなど多くの国では、就学前や思春期に3種混合ワクチン(Tdap)の追加接種が推奨されています。
また、妊婦さんに対しても妊娠27〜36週の間にワクチン(Tdap)接種を行うことが標準的な医療として定着しています。
🤰 妊婦さんへの接種のメリット
赤ちゃんは生後2か月までワクチンを接種できないため、免疫の空白期間があります。妊娠中に接種することで、母体から胎児に抗体が移行し、この期間の感染を防ぐことができます。
🏥 当クリニックでの対応について
当院では以下の方たちにDPTワクチン(トリビック)の接種を推奨します。
任意接種となりますので、接種時期に明確な決まりはありません。
接種をご希望の方は、診療時間内にお電話でご予約ください。
〇年長児(5〜6歳ごろ)
〇小学校高学年(11〜12歳)
〇妊娠27週~36週の妊婦さん
〇家族内に新生児や乳児がいる方、新生児や乳児と接する方(きょうだいや保護者)